其の一
其の二
其の三




其の一
其の二
其の三
其の四
其の五






あとがき

石屋の体験 其の一
コンクリートは使わない
昭和59年従業員より、姉の主人が13回忌にあたるのでお墓を造りたいとの希望でした。彼は、私の工事のやり方を理解しているものだと思い、「自分の思うように造りなさい」と言いました。

着工し、出来上がりを見て、私は愕然としました。墓地が狭いからと、表面をコンクリートにしているのです。

私は師匠故今井鴻象先生により常日頃から、「墓地の表面は、コンクリート、石、小石などを全体に敷き詰めてはならない」と言われていましたので、壊して作り直すよう彼に言いましたら、「私は30年もよその石屋でこのような仕事をしてきているが、何も変わったことが起こったことがないから大丈夫だ」という事でした。

そして一年ほど経った後、彼は、「実は姉が軽い脳梗塞で倒れ、娘の勤めている病院に入院中だが、普通だとすぐに意識が回復するのだけれどもどうもおかしい」とのことでした。それを聞いたのですぐ墓地の表面を壊してくるように言いましたら、「いまさら壊すのは都合が悪い」と言って聞きませんでした。

二、三日して彼の奥さんに聞いたら、本来なら意識が回復しているのだがまだです。次の日彼に工事代金を貰ったのは私なのだから私の責任であるからすぐに壊してくるように伝えました。11時に削岩機でコンクリートを壊した時偶然にもその瞬間に意識を取り戻しました。

偶然とは言い何か私たちの知らない世界を感じました。最近特に見た目が良いと板石、コンクリートの上に小石を入れていますが考えさせられることです。

石屋の体験 其の二

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